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市内小学校教職員たちと間伐体験

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(2023.11.11)

今回は「森づくり県民大作戦」の事業として、静岡県富士農林事務所が主催となり、中村さんが講師として、小学校の先生方へ向けて森林でフィールドワークを開催することとなり、小林さんとともに社長も講師として参加させていただくことになりました。

こんなにも森林が多く恵まれた日本であるにも関わらず、森林や林業についての義務教育があるのは小学5年生の社会科だけだということをみなさんご存知でしたか?たしかに学校の授業で林業をやったか覚えてますかと問われると、わたしも正直やったかやってないかなんて思い出せないくらいです。 そこでご自身も以前教師をしていた中村さんは、子どもたちに教える立場である先生方に、実際の体験を通して林業(森林とともに生きる人たち)を知っていただくことで、今後の授業でより深く子どもたちに森林の在り方の大切さを教示していけるのではないかという思いで今回開催されることになりました。

富士宮市内の教職員に向けて今回の案内を出したところ、興味を持って参加してくださる先生がたくさん来てくださりました。考えてみれば先生方も、林業について知りたいと思ったところで、なかなか知る機会は無いのではないでしょうか。林業=木こりのイメージしかない方も数多くいると思います。先生自身が知らないことを子どもたちに教えることは難しく、うまく伝わりづらかったり、子どもからの質問に答えられなかったりしてしまいます。
そんな知らない世界を知る機会を持ち、知ろうとしてくださる意識の高い先生方がたくさんいるということがとても嬉しかったです。

林業は木を伐って売ることだけが仕事ではありません。山全体を見て、伐る木や残す木のバランスを考えたり、優良木の育成を促したり、山の保全や環境を整えていく仕事でもあります。 社長は今回、森林施業プランナーとして、フィールドの提供と自身の仕事内容について説明させていただきました。やはり知らない方が多く、びっくりされてしまうことも多い仕事です。

この現代の森林への関心度は、「高い」とはお世辞にも言えません。山を所有する山主さんでさえ森に対する意識が低い方が多く、自分の持っている山がどこからどこなのかさえ知らない人もいます。

戦後はげ山ばかりになってしまった日本は、復興のためにとにかく木をたくさん植えました。これが戦後の拡大造林政策です。しかしその後、時代の変化とともに鉄とコンクリートの時代へと移り、大量に輸入されてくる外材に国産材は太刀打ちすることができなくなっていきます。そして長年の木材価格の安さから林業に対しての意欲低迷が続き、放置林が増加し、今になって様々な問題へと発展してしまっているのです。

そんな大きな問題を抱えた林業の世界を次世代が受け継いだ時、負の遺産と捉えられてしまってはとても悲しいものです。 森林は人々にとって大切な資源であり、後世に残すべき財産なのだということを多くの方に知ってもらいたい。そしてそんな素晴らしい財産をさらに価値あるものにするべく林業があるのだということをより身近に感じてもらいたい。そのためには子どものころに受ける林業教育も大事な一面となりうるのだと思います。

そして今回のこの教職員へ向けた研修について、岳南朝日新聞さんが取り上げてくださいました。

このような活動に興味を持ってくださった人から人へ…森林への関心が人の輪によって少しずつですが繋がっていっているように思います。

記:ハヤシ

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